「暗渠の宿」
2012年 10月 19日
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西村賢太が止まらない。
本当にむちゃくちゃで、本当に友達にはなれないタイプの人なんだけど、どうにもこうにも小説は面白い。前にも書いたけど、この面白さは、若いころに太宰治を読んだ時の面白さ。だけど、どれも私小説なので、いつかは書き終わってしまうのかなぁ。
もしかして、これは怖いもの見たさなのかも・・・・。テレビのニュースなんかをみて、この人はなんでこういう人生になってしまったんだろう?どこかで気付かなかったんだろうか?と思うことがあるけど、それを知ることはできないでしょ?
友達を殴ったり、お世話になってる人を泥棒呼ばわりしたり、風俗嬢に大金をだまし取られたり。同棲相手に対してもひどい、ひどい。
西村賢太を読んでいると、こんな思考回路の人がいる!ということに衝撃を受けるわけですよ。ドラえもんの「聞き耳頭巾」を手に入れて、動物の言葉がわかるようになったというと失礼だけど、あまりにも理解できない人の思考を、こうやって読むことって絶対にないから・・・。
世の中にはいろんな人がいるね。だけど、こういう人の中に、人に衝撃を与えるようなものを作れる人がいるのかもね。